牛乳瓶ウニ(岩手県/青森県)2013.06.11 /food
「あまちゃん」も「じぇじぇじぇ」と感動したウニ。そう、ウニの季節が今年もやってきました。ああ、炊きたてのご飯にウニを惜しげもなくのっけて食べたい。カレールーのようにのっけて食べたい。そんなふうに思ったことはありませんか。私は今このときも、心からそう思っています。
牛乳瓶ウニがうちのスタンダードになったわけ
牛乳瓶に詰まったウニを初めて食べたのは、かれこれ30年ほど前。父の青森出張のお土産でした。当時の私は残念ながら生ウニというステキな食べ物をまだ口にしたことがありませんでしたが、今にして思うとそれは生に近い塩ウニでした。塩気が練ウニのようには強くなくとろっとした舌触りに、「んまっ!ウマいぞ、このウニ!」とそれまで食べていたウニ(すべて瓶詰め)を全否定する勢いで、私はこの「牛乳瓶ウニ」(勝手に命名)の虜になりました。ハッフッホッ♬
だってまさに雲泥の差だったのです。自分の晩酌用にという父の思惑は周知ではありましたが、両親のウニ好き遺伝子を受け継ぐ娘とその母親。この二人が「ちまちま大事に食べていては食べた気がしない。ここはドドーンと!ドドーンと行こう」とごはんのおかずにしていたところ、父親の口にほとんど入らないうちに瓶はうっかり空になっていたのです。瓶底にわずかに残るウニ片に愕然とし、冷蔵庫の前で肩を落として立ち尽くすハニワ顔の父。しかしこれまで出張土産では数々のミスチョイスを犯し、家族中の不評の買うことの多かった父の株が、「牛乳瓶ウニ」で急浮上したのも事実。
その後も青森出張のたびに必ず買ってくるようになり、サラリーマンの憂いも辛さも知らない私は、ウニが恋しくなると「あーあ、そろそろ出張行けばいいのに」と思っていたのでした。
「あまちゃん」で話題の三陸産生ウニも!
あの思い出の「牛乳瓶ウニ」が手に入るのかどうか、調べてみることにしました。
父のリタイア後は、牛乳瓶スタイルではないのですが、私がネットで見つけた大船渡の「うに問屋 志田海産乾物店」の塩ウニを取り寄せ、実家にもお裾分けしていました。しかしこちらのお店も被災され、サイトから窺い知る限りですが、震災前と同じ規模での事業再開には至っていない様子です。ネット販売が再開されたらまたこちらで塩ウニを購入させていただきたいと待ちわびているのですが、実はそろそろ禁断症状が出始めているのです。
調べてみると、どうやらそれらしき情報があるにはあるようなのですが、冷凍物だったり輸入物だったり。「う~ん、これは慎重にならねば」とさらに調べを進めると、青森から南下した岩手県の三陸沿岸にも「牛乳瓶ウニ」が分布していることがわかりました。
同じ牛乳瓶スタイルでも、青森では「塩ウニ」が主流なのに対し、岩手では「生ウニ」が主流のようです。と言っても、殺菌してある海水と生ウニだけを詰めたもの。手を出すべきか出さざるべきか悩ましい値段でスーパーの刺身売場にしれっと並ぶ、ミョウバンで処理された出自の怪しいウニとはまったくの別物。誰もが一度は食べてみたいと妄想する、殻から剥きたての味を再現してある生ウニです。
□保存料・着色料不使用
□ミョウバン不使用
□アルコール不使用
□もちろん国産(というか、販売しているところの地元産)
これらがちゃんと確認できたお店のなかから、今回は「うまさ直送マルコシ商店」でポチリ。「あまちゃん」のおかげで注目が集まっている三陸のウニです。届いたのは注文から2日後。す、素晴らしいっ!
さあっ、そいつをごはんに!のせましたーっ!
うわーん至福(涙)!
大人になって生ウニも蒸しウニも貝焼きも頂きましたが、私にとってはいまだにこの「牛乳瓶ウニ」こそがウニ。そう再認識した一食でした。ふう、ご馳走さま。
information
うまさ直送マルコシ商店(岩手県)
小林魚店(岩手県)
坂下商店(青森)
- ネットショップ
- http://www.849sakashita.com/products/detail21.html
※こちらは「塩ウニ」です。サイトには産地等の記載がありませんので、気になる方は直接ショップにお問い合わせください。